フィラリア予防の開始時期が近づいてきました。
フィラリア症は蚊が媒介して心臓に虫が寄生する病気です。
とっても有名なワンちゃんの病気ではありますが、その予防については、意外と誤解が多いように感じますので、少しまとめてみました。
■予防方法
:フィラリア予防薬は、蚊に刺されないようにするお薬ではなく、蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの感染幼虫を駆虫するお薬です。
蚊が媒介して体内に入ったフィラリアの感染幼虫は、始めは犬の皮膚の下や筋肉にとどまっています。その間に成長し、「2ヵ月」くらいで血管内に入り、心臓や肺血管へ移動していきます。
フィラリアの感染幼虫が体内に入っても、これらが皮膚の下で生活している間は、犬の体に変化はありません。したがって、皮膚の下で成長を終わらすことができるよう、予防薬の投薬を行っていくことになるのです。
どんなタイミングで感染しても、感染幼虫が体内移動を開始する前に体内から確実に全滅させる為に、一般的な予防薬では1か月に1度というタイミングが定められています。
:月1回の投薬で予防ができます(1年間効く注射での予防法もありますが、2020年現在、当院では注射の予防薬のお取寄せや取扱いはしておりません。申し訳ございませんが、ご了承ください。)
:おやつタイプのお薬は好んで食べるわんちゃんが多いです。またお取り寄せにはなりますが、背中に垂らすタイプの予防薬もあります(2020年に限っては、製造の関係で入荷が困難です。)
引用:https://filaria.jp/html/prevention/index.html
■予防期間
:感染が起こる時期=蚊の活動開始時期の30日後までに開始し
感染終了の時期(蚊の姿がみられなくなる)の30日後まで
予防が必要となります。
蚊に刺される可能性がある時期を過ぎた後に予防薬で駆虫しないと、冬の間にフィラリアが体内で成長してしまいます。
「最後が大切」といわれる理由はこれです。
「蚊を見なくなった」「涼しくなった」と勝手に判断して投薬をやめてしまうと、半年以上続けてきた予防がムダになってしまいますので、これだけは避けてください。
ちなみに松山においては、近年(2002年~2018年)の
感染開始最早日は5/6(2019年は5/13)、
感染終了最遅日は11/12(2019年は11/12)
とのデータがあります。
統計を見てみるとフィラリア症感染期間は年々長くなる傾向にあります。
近年の異常気象を考えると、また、お住まいの場所によっては(河川、水田、池や藪などの近く)、4月からスタートする方が確実と思われます。
また、ノミ・マダニは気温が13℃以上になると活動を始めるため、ノミ・マダニ予防と一緒になったオールインワンタイプの予防薬をご希望の場合は、4月からの予防をおすすめします。
・毎月の予防を忘れないこと
・12/20以降に最後の1回を投薬すること
を覚えておいてください。
■投薬前には血液検査
:フィラリア予防薬は、フィラリアに感染していない犬にとっては安全性の高い薬ですが、すでに感染している犬がそのまま飲むと容態が急変する場合があります。
フィラリア抗原検査やミクロフィラリア検査は、感染初期には陰性になりますが、前年の予防が確実に行われたか確認するためにも、上記のアナフィラキシーショックを避けるためにも検査を受けましょう。
また、フィラリア予防薬は、必ず検査をしてから獣医師が処方する法的規制のある要指示薬です。検査の必要のない子犬以外は、予防を始める前に毎年必ず検査が必要です。
当院が開院して1年ですが、すでに何頭もフィラリア症に感染した犬の診察を行いました。
犬の命を脅かすやっかいな病気ですが、飼い主さんがお薬を投薬してあげることで守ってあげられる病気でもあるのです。
正しく理解して予防を行っていきましょう!
はな動物病院
住所:愛媛県松山市井門町1212-2
松山中央高校とサンパークの間、
はなみずき通りや松山ICどちらからもアクセスしやすい場所です
☎ 089-948-4893
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